26卒で入社して、そろそろ半年。もう限界かもしれない、と思っていませんか。
「3年は続けろ」と言われます。一方で、辞めた人の話もいくらでも出てくる。どちらを信じればいいのでしょうか。どちらが正しいのかは、あなたの状況でしか決まりません。
僕はいまも人を採る側にいます。経営者として8年、採用の最終決裁をしてきました。その前に事業会社で採用担当を2年。半年で辞めた人の書類も、実際に見て判断しています。面接した人数は、覚えていないけれど500人くらい。
採る側から、確かめる順番を書きます。辞めるかどうかは、最後に考えてください。
※ 統計は厚生労働省の公表資料、法令は e-Gov 法令検索の原文を2026年9月11日に確認しました。実務の記述は僕が関わってきた採用のものです。
辞めること自体は、珍しくない
まず数字から。厚生労働省が毎年公表しているものです。
3人に1人が3年以内に辞めています。これは国が毎年発表している数字で、特に増えたわけでも減ったわけでもありません。ずっとこの水準です。
つまり、辞めることは例外ではない。「自分だけが続かない」と思う必要はありません。採用する側も、この数字を前提に採用計画を立てています。
ただし、数字が多いことと、あなたが辞めるべきかは別の話です。ここから先が本題になります。
確かめる順番。辞めるかどうかは4番目
相談を受けるとき、僕はこの順番で聞いていました。辞めるかどうかを最初に考えると、答えが出ません。
眠れているか、食べられているか。ここが崩れているなら、他の3つは後回しでいい
仕事の中身か、人か、労働時間か、給与か。混ざっていると判断できない
異動、担当替え、上長への相談。試したか、試していないか
ここで初めて転職の話になる
1つめが最優先です。体調を崩しているなら、辞める判断を急いでください。採用の話とは別で、働けなくなるほうが損が大きい。
2つめで詰まる人が多い。いま、嫌なことを1つに絞れますか?「なんとなく全部しんどい」だと、転職先でも同じことが起きます。1つに絞れないうちは、転職先も選べません。
3つめは、採る側から見るといちばん見られる部分です。次に書きます。
採る側が見ているのは「辞める前に何をしたか」
半年で辞めた人の書類を見るとき、在籍期間は目に入ります。ただ、そこでは判断していません。見ているのは2つです。
- 辞めた理由が書いてあるか — 書いていないと、想像で埋めることになる
- 辞める前に自分が動いたか — 相談した、希望を出した、やり方を変えた。1行でいい
2つめが無いと、「うちでも同じことが起きたら辞めるのでは」と読まれます。半年という長さより、ここで決まります。3つの落とし方は【落としていた3つ】第二新卒の書類が通らない理由に全部書きました。
だから、いま辞めると決めていなくても、1つ動いておく価値があります。上長に相談する、異動の希望を出す。結果が変わらなくても、それは書けます。
26卒が第二新卒として動ける期限
「第二新卒はいつまで」という線を気にしていると思います。法律に定義はありません。線を引いているのは各社の応募資格欄です。
実務の感覚で言うと、境目は社会人経験3年でした。3年を超えると、要件がポテンシャルから実績に変わります。
| 時期 | 26卒の状況 | 使える枠 |
|---|---|---|
| いま(入社半年) | 社会人1年目 | 第二新卒枠。未経験の職種にも移りやすい |
| 2027年3月まで | 卒業後1年 | 第二新卒枠+既卒の新卒枠(受け付けている会社なら) |
| 2029年3月まで | 卒業後3年 | 第二新卒枠。既卒の新卒枠は指針の期限 |
| それ以降 | 社会人3年以上 | 経験者枠。実績を求められる |
26卒なら、2029年3月までが指針の期限です。時間はまだあります。焦って決める必要はありません。線の引かれ方は【線を引くのは会社】第二新卒はいつまでにまとめています。
ただ、職種を変えたいなら早いほうが有利です。3年を超えると未経験可の求人そのものが減ります。同じ職種で環境だけ変えたいなら、急ぐ必要はありません。
「3年は続けろ」に根拠はあるのか
よく言われる話ですが、採る側にいて、3年という数字を基準にしたことはありません。見ているのは年数ではありません。その期間に何をしたかです。
では、なぜ3年と言われるのか。理由は2つあると思っています。
- 3年以内の離職率が毎年公表されているから — 国の統計の区切りが3年なので、その数字が独り歩きしている
- 3年を超えると「経験者」として扱われるから — 第二新卒枠から外れて、実績を求められるようになる
2つめは実務と合っています。ただ、ただ、これが意味するのは「3年続けろ」ではありません。「3年以内なら未経験の職種に移りやすい」ということです。向きが逆になっています。
職種を変えたいなら、3年以内のほうが有利。同じ職種で環境だけ変えたいなら、経験が積み上がるほど選べる求人が増えます。どちらを望むかで、答えが変わります。
相談する相手を1人決めておく
半年で辞めるかどうかを、1人で決めるのは難しい。まわりに相談しても「もったいない」か「辞めちゃえば」のどちらかしか返ってこないと思います。
採る側から見て有効だったのは、利害のない相手に1回話すことでした。
| 相手 | 向いていること | 注意 |
|---|---|---|
| 大学のキャリアセンター | 卒業後も使える大学が多い | 新卒就活が専門で、転職は範囲外のことがある |
| 職場の先輩 | 社内で変えられるかが分かる | 辞める話は伝わる前提で話す |
| 転職エージェント | 求人の実態と、いまの枠が分かる | 転職して初めて報酬が出る構造。急かされることがある |
| 親・友人 | 気持ちの整理 | 業界の実態は分からない |
エージェントは無料で使えます。求職者から手数料を取ることは、職業安定法で原則できません。払っているのは採用した企業側です。
ただし、転職が決まって初めて報酬が出る構造なので、「まだ決めていない」と最初に伝えてください。そう言っても話を聞いてくれるところと、急かしてくるところが分かれます。合わなければ断って構いません。
半年の経験でも、書けることはある
「半年では書くことがない」という相談をよく受けます。ただ、書類を読んでいる側から言うと、書くことが無い人はいません。思い出していないだけです。
| 職種 | 半年で触っているはずのもの | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 営業 | 同行・リスト作成・議事録 | 先輩に同行して月15件訪問。訪問先の要望を議事録にまとめ、チームの共有フォルダに残した |
| 事務 | 入力件数・書類の種類 | 請求書と納品書を月80件処理。前任の手順書に抜けがあった箇所を追記した |
| エンジニア | 担当した機能・使った言語 | 既存機能の改修を3件担当。テスト手順が口伝だったので、手順書に起こした |
| 販売・接客 | シフト・レジ・品出し | 週5日でレジと発注を担当。閉店前の在庫チェック表を作り、翌日の発注に使った |
右側に共通しているのは、数字が1つと、自分が残したものが1つ入っていることです。手順書、共有フォルダ、チェック表。半年あれば、何か残しています。
「教えてもらっていただけ」でも、教わったことをメモにまとめていれば、それは残したものです。
動くなら、時期を選べる
中途採用の求人が増える時期があります。採る側にいるので、そこは分かります。
- 1月〜3月 — 4月入社に合わせた募集。第二新卒枠がいちばん増える
- 9月〜10月 — 下期の開始前。上期に採り切れなかった枠が回ってくる
- 6月〜7月 — 新卒採用が一段落して、中途の増員稟議が通りやすい
26卒がいま動くなら、次に厚くなるのは1月〜3月です。いまから準備して、年明けに出すという組み方ができます。
そして、在職中の応募のほうが書類は通りやすいです。空白期間が生まれないからです。体調に問題がないなら、辞める前に動いてください。
よくある質問
- 26卒で半年で辞めるのは早すぎますか
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大学卒業者の3年以内離職率は33.8%で、辞めること自体は珍しくありません。ただ、辞める前に社内で何か試したかは、次の選考で見られます。
- 26卒はいつまで第二新卒ですか
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法律に定義はありません。求人票の応募資格欄が線を引いています。実務では社会人経験3年が境目になることが多く、26卒なら2029年3月ごろまでが目安です。
- 新卒枠にもう一度応募できますか
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厚生労働省の指針で、事業主は卒業後少なくとも3年間は応募できるよう努めることとされています。26卒なら2029年3月までが期限ですが、努力義務なので会社によって受け付けが分かれます。
- 半年の経験は職務経歴書に書けますか
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書けます。件数・社数・金額のどれか1つと、自分が残したもの(手順書、チェック表など)を1つ書いてください。
- 辞めてから探すのと、在職中に探すのはどちらがいいですか
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在職中のほうが書類は通りやすいです。空白期間が生まれないからです。ただし体調を崩している場合は、先に辞めることを優先してください。
- 退職理由は正直に書いていいですか
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書いていいです。ただし「環境が悪かった」で終わらせず、自分が何をしたかを1行足してください。そこが無いと、次も同じ理由で辞めると読まれます。
