就活エージェントを断りたい。でも、無料で使わせてもらっているから言い出しにくい。そう思って検索したはずです。断ったら、その後の選考に響くと思っていませんか?
「断り方」で検索すると、答えているのはたいていエージェント自身です。断られる側が、断り方を教えている。そこに本音が書けるでしょうか。
僕はいまも人を採る側にいます。経営者として8年、採用の最終決裁をしてきました。その前に事業会社で採用担当を2年。エージェント経由で1人採るたびに、60万〜100万円の手数料を払っていました。
つまり、エージェントにお金を払っている側です。その立場から、彼らが本当に困ることと、あなたが断っても何も起きない理由を書きます。
※ 法令は e-Gov 法令検索の原文を2026年9月11日に確認しました。実務の記述は僕が関わってきた採用のものです。
そもそも、なぜ学生は無料なのか
ここを知らないまま断ろうとすると、必要以上に申し訳なく感じます。なぜ学生だけ無料なのか、考えたことはありますか?無料なのは、法律がそう決めているからです。
就活生は、この限られた職種に当たりません。だから、あなたから手数料を取ることは法律でできない。サービスだから無料なのではありません。
そして企業側から取る手数料には、上限を定めた条文がありません。僕が結んでいた契約は理論年収の35%で、実額は1人60万〜100万円でした。あなたが無料で使えるぶんは、採用した会社が払っています。この手数料の仕組みは【落としていた3つ】第二新卒の書類が通らない理由にも書きました。
断っても、あなたに不利益は起きない
いちばん心配されるのが「他の選考に影響が出るのでは」だと思います。採用側から見た事実を書きます。
- 企業はエージェントの内部事情を知らない — 僕に届くのは推薦された候補者の情報だけ。誰が誰を断ったかは共有されません
- 他社のエージェントとは、情報が繋がっていない — 競合同士なので、候補者情報をやり取りする理由がない
- 断った学生をブラックリストに載せる意味がない — エージェントの売上は決まった人数で立つ。断る人を追いかけるより、次を探すほうが早い
3つめが実態に近い。エージェントの営業は決定人数で評価されています。断られた学生に時間を使うのは、彼らにとっても損です。
僕が何十社もの営業と会った中で、「断られた学生を悪く言う」人は1人もいませんでした。そういう余裕がある仕事ではない。
エージェントが本当に困るのは、断られることではない
買う側にいると、彼らが何に困っているかが見えます。困るのは連絡が取れなくなることでした。
企業側には選考の日程があります。エージェントは「この学生は進むのか、降りるのか」を企業に伝えなければならない。返事が来ないと、その枠を空けたまま待つことになります。
僕の側でも、これは起きました。エージェントから「連絡が取れていません」と言われ、面接の枠を1週間空けたまま待ったことがあります。この状態がいちばん迷惑です。書類の段階で何を見ているかは【通過率9%→24%】新卒の書類選考で落ちる理由にまとめています。
だから、断り方に凝る必要はありません。丁寧さより速さです。
場面別の例文5つ
そのまま送って構いません。長くしないほうが伝わります。
① 面談の予約を断る
お世話になっております。◯◯大学の△△です。
面談のご案内をいただきありがとうございます。
検討した結果、今回は見送らせていただきます。
ご対応いただいたにもかかわらず申し訳ありません。
理由は書かなくて構いません。書くと、そこから提案が続くことがあります。
② 紹介された求人を断る
ご紹介いただきありがとうございます。
拝見しましたが、今回は応募を見送らせていただきます。
引き続きよろしくお願いいたします。
「引き続き」を入れるかどうかで、次の紹介が来るかが変わります。もう紹介がいらないなら、この1行を外してください。
③ 利用そのものをやめる
お世話になっております。◯◯大学の△△です。
他社で内定をいただき、就職活動を終了いたします。
サポートいただきありがとうございました。
終了の意思をはっきり書くのが要点です。「一旦保留で」と書くと、連絡は続きます。
④ 内定を辞退する
お世話になっております。◯◯大学の△△です。
先日内定のご連絡をいただきました◯◯社につきまして、
検討の結果、辞退させていただきたくご連絡いたしました。
直前のご連絡となり申し訳ありません。
ここだけはできるだけ早く送ってください。企業側は入社人数を前提に動いています。僕の側でも、辞退が遅いと次の採用計画が崩れました。
電話がこわいなら、メールで先に送って構いません。連絡が来ないことのほうが、はるかに困ります。
⑤ 連絡の頻度を減らしてほしい
いつもご連絡ありがとうございます。
選考が重なっており、しばらく求人のご紹介はお控えいただけますと助かります。
再開する際はこちらからご連絡いたします。
完全にやめたいわけではないなら、これで止まります。「こちらから連絡する」と書くのが効きます。
電話とメール、どちらで送るか
結論から書くと、メールかLINEで構いません。
| 場面 | 手段 | 理由 |
|---|---|---|
| 面談・求人紹介を断る | メール/LINE | 記録が残る。相手も後から確認できる |
| 利用をやめる | メール/LINE | 同上。電話だと言いくるめられることがある |
| 内定辞退 | まず電話、繋がらなければメール | 企業側の動きが止まるので、速さが要る |
電話をすすめる記事が多いのですが、断られる側が「電話で」と書いているのは、電話のほうが引き止めやすいからという面もあります。
内定辞退だけは別です。ここは企業側の人数計画に直結するので、いちばん早く届く手段を選んでください。
しつこく連絡が来るとき
断ったのに連絡が続く場合。3段階で対応できます。
見送り、ではなく不要と書く
サービスのマイページか、問い合わせフォームから
ここまでやって構いません
職業紹介事業者には、厚生労働大臣の許可が要ります(職業安定法30条)。許可を受けた事業者は、指導や監督の対象です。度を越えた勧誘があるなら、都道府県労働局の需給調整事業部門に相談できます。
ただ、ここまで行くケースは多くありません。1回はっきり書けば、たいてい止まります。
よくある質問
- 断ると、他の選考に影響しますか
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企業側にはエージェントの内部事情は届きません。誰が誰を断ったかは共有されないので、他社の選考には影響しません。
- 無料で使っているので断りにくいです
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職業安定法32条の3で、就活生から手数料を取ることはできません。無料なのは法律がそう決めているからで、あなたは最初から支払う側ではありません。
- 理由は書いたほうがいいですか
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書かなくて構いません。理由を書くと、それに対する提案が続くことがあります。
- 電話しないとだめですか
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面談や求人紹介を断るだけならメールで十分です。内定辞退だけは、企業側の人数計画に直結するので、いちばん早く届く手段を選んでください。
- 返事をせずに放置してもいいですか
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いちばん避けたい対応です。企業側が選考の枠を空けたまま待つことになります。1行でも送ってください。
- 断ったあと、もう一度使えますか
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使えます。退会していなければアカウントは残ります。再開するときに連絡すれば戻れます。
