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【4人に1人が抜ける】第二新卒で大手は無理なのか | 枠が開く時期,書類の3点も

【4人に1人が抜ける】第二新卒で大手は無理なのか | 枠が開く時期,書類の3点も

「第二新卒で大手は無理」。エージェントに言われたか、知恵袋で見たか、自分でそう思ったか。どれかで検索したはずです。

「大手は新卒で入るもの」「第二新卒枠があるのは中小だけ」。よく聞く話です。一方で、第二新卒で大手に入った人の話も出てくる。どちらを信じればいいのでしょうか。

僕はいまも人を採る側にいます。経営者として8年、採用の最終決裁をしてきました。その前に事業会社で採用担当を2年。面接した人数は、覚えていないけれど500人くらい。僕がいるのは大手と呼べる規模の会社ではありません。大手と同じ候補者を取り合ってきた側です。

大手の中で何が起きているかは書けません。書けるのは、採る側に共通する構造と、取り合ってきた側から見えた大手の動き方。そこから書きます。

※ 統計は厚生労働省の公表資料、法令は e-Gov 法令検索の原文を2026年9月12日に確認しました。実務の記述は僕が関わってきた採用のものです。

目次

「第二新卒で大手は無理」と言われる3つの理由

無理と言う人の根拠は、だいたい3つに集まります。

  1. 大手は新卒で人を埋める — 毎年4月にまとめて採るので、中途で若手を採る枠が小さい
  2. 枠が小さいのに応募が集まる — 1つの枠に何十人も来る。落ちる人が多いから、「無理だった」の声も多くなる
  3. エージェントが勧めない — 決まりにくい求人は勧めにくい。それを「無理」と受け取っている

3つとも、半分は当たっています。ただ、この3つには抜けている数字が1つあります。あなたに「無理」と言った人は、この数字を知っていたでしょうか。

従業員1,000人以上の事業所に就職した大学卒業者のうち、3年以内に離職した割合は27.0%(令和4年3月卒業者。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」令和7年10月24日公表)。

4人に1人が、3年で抜けています。大手でも。新卒でまとめて採った人が、3年後には4人に3人しか残らない。その穴をどうするのか? ここが、「無理」と言う人の話に出てきません。

大手が第二新卒を採るのは、善意より補充

事業所の規模別に並べると、こうなります。

事業所規模大学卒の3年以内離職率読み方
5人未満57.5%半分以上が抜ける
5〜29人52.0%半分が抜ける
30〜99人41.9%5人に2人
100〜499人33.9%3人に1人
500〜999人31.5%3人に1人
1,000人以上27.0%4人に1人

大学卒全体では33.8%。3人に1人です。規模が大きいほど低くなる。それでも27.0%です。0%の会社はありません。新卒で100人採った会社なら、3年のあいだに27人分の穴が開く計算になります。

採る側にいると分かりますが、穴は埋めるしかない。新卒は年に1回、4月にしか入ってきません。抜けた席を次の4月まで空けておける部署ばかりでしょうか。空けておけない部署が、中途で人を探します。そのとき欲しいのは「同じくらいの年次で、育てれば追いつく人」。これが第二新卒枠の正体です。善意で設けた枠というより、補充です。

この統計は、離職理由を問わずに数えています。転職で抜けた人も、体調で辞めた人も全部入っている。大手から別の大手へ移った人も、抜けた側の27.0%の中です。その席は誰かで埋まります。

しかも穴は開き続けます。若年正社員のうち「転職したいと思っている」人は31.2%。20〜24歳に限ると35.0%で、いちばん高い(厚生労働省「令和5年 若年者雇用実態調査」)。大手に入った同年代も、この数字の中にいます。

無理になる3つの条件と、無理でない条件

では、誰が通って誰が落ちるのか。取り合ってきた側から見ると、会社の規模で決まっていません。決めているのは3つです。

無理に近づく無理でない
枠が閉じている時期に、求人票だけを見て出している枠が開いた時期に出している。開いているかを人に聞いている
職種未経験の職種で、大手だけを狙う同じ職種で、環境を変える
書類辞めた理由・動いた形跡・職務内容の3点が空いている3点が2〜3行ずつ埋まっている

右の列に、会社の規模は出てきません。「大手だから無理」は、この3つのどれかを「大手」という言葉でまとめて言っているだけです。

いちばん外から見えないのが、1つめの枠です。求人票に「第二新卒歓迎」と書いてあっても、その枠がいま埋まりかけているのか、開いたばかりなのかは読めません。分かるのは、その会社に候補者を送っているエージェントです。

だから、大手を狙うならエージェントに1社登録して「大手の第二新卒枠がいま開いているか」を聞くのが早い。求職者は無料で使えます。理由は法律にあります。

職業安定法32条の3。有料職業紹介事業者が手数料を受けられるのは、原則として求人者(企業)からです。求職者から受けられるのは限られた職種だけで、上限は賃金の100分の11(同法施行規則20条2項)。僕はエージェント経由で1人採るたびに60万〜100万円を払っていました。払っているのは企業側です。

その代わり、転職が決まって初めて報酬が出る構造なので、急かしてくることがあります。決まりやすい求人に寄せてくることも。「大手の枠を聞きたいだけ」と最初に言って、合わなければ断って構いません。断り方は【例文5つ】就活エージェントの断り方に例文を置いています。

採る側が第二新卒に見ているもの。書類の3点と、15%

書類の3点を書きます。ここは僕が実際に落としてきた側の話です。

第二新卒の書類で落としていたのは、短期離職そのものより、この3つが空いているときでした。

  1. 辞めた理由が書いていない — 読む側が想像で埋める。想像は悪いほうに寄る
  2. 辞める前に動いた形跡がない — 「うちでも同じことが起きたら辞める」と読まれる
  3. 職務内容が役職名だけ — 「営業部 配属」で終わっている。半年でも触ったものはある

落としていた書き方 — 職務経歴が「2025年3月 一身上の都合により退職」で終わっている。職務欄は「株式会社◯◯ 営業部 配属」だけ。理由も、動いたことも、触ったものも読めない。

通していた書き方 — 「配属後に業務内容が異なると分かり、異動を希望しました。募集枠が無いとの回答だったため、職種を変えるために退職しています」。理由と、動いたことが入っている。職務欄には、触ったものを件数つきで1行。

この3点は、大手でも変わらないはずです。書類を読むのは人で、読む人が探しているものは同じ。大手のほうが応募が多いぶん、空いている書類から先に落ちると考えたほうが安全です。直し方は【落としていた3つ】第二新卒の書類が通らない理由に全部書きました。

数字も置いておきます。僕の会社の中途採用(第二新卒を含む)で、書類通過率は15%前後でした。6〜7社出して1社通る計算です。

大手はこれより下がると見ておいてください。応募が集まるからです。5社落ちて「やっぱり無理だった」と思っていませんか? 母数が足りていないだけ、ということが多い。大手だけに絞らず、同じ職種の求人を横に並べて出してください。

同じ職種か、未経験か。いちばん狭いのは「未経験×大手」

取り合いになる候補者と、ならない候補者がいます。

同じ職種で環境を変える人は、取り合いになります。営業を1年やった人が、別の会社の営業に移る。この人は大手も僕の会社も欲しい。育てる期間が短くて済むからです。

未経験の職種に移る人は、話が変わります。育てる前提の枠が要る。その枠は、新卒で毎年若手を入れている会社ほど小さい。「未経験の職種×大手」が、第二新卒でいちばん狭い組み合わせです。


未経験可の求人が若い人に向く理由も、法律にあります。年齢を絞って募集できる例外の1つが、長期勤続によるキャリア形成のために、若年者を期間の定めのない契約で採る場合(労働施策総合推進法施行規則1条の3第1項3号イ)。この例外を使うには、職業経験を不問にすることが条件です。つまり「未経験可」の求人は、長く勤めて育つ前提で設計されている。若いほど、この前提に合います。

職種を変えるときの動き方は第二新卒で未経験の職種に移れるかにまとめています。大手にこだわる前に、職種のほうを先に決めてください。

年齢の壁は、法律上どうなっているか

「大手は若い人しか採らない」「27歳では年齢で切られる」。これも「無理」の根拠としてよく出ます。本当でしょうか。条文はこうです。

労働施策総合推進法9条。事業主は、労働者の募集及び採用について、原則として年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないと定められています。

大手だから年齢で切っていい、という規定はどこにもない。例外は施行規則で6つに限られていて、若手向けに使えるのは3号イだけ。しかもその条件が「経験不問」です。年齢を絞る求人は、経験を問えない。経験を問う求人は、年齢で切れない。両方は同時に成立しません。例外6つの中身は【線を引くのは会社】第二新卒はいつまでに表で置いています。

では、実務で線はどこにあるのか。僕の会社では社会人経験3年でした。3年を超えると、要件がポテンシャルから実績に変わる。年齢そのものより、この年数のほうが効きます。

もう1つ。卒業後3年以内なら、新卒枠が残っている場合があります。

厚生労働省は「青少年の雇用の促進等に関する法律」に基づく指針で、事業主に対し「既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること」としています(厚生労働省リーフレット「卒業後3年以内の既卒者は、『新卒枠』での応募受付を!」)。

「努めること」なので、努力義務です。受け付ける会社と受け付けない会社があります。大手なら受け付けている、とは言えません。確かめ方は1つ。その会社の新卒採用ページの応募資格に「卒業後3年以内の方を含む」とあるか。あれば、第二新卒枠と新卒枠の2本を並行して出せます。

いつ、どう動くか

枠は開いたり閉じたりします。だから、順番があります。

在職中に動く

空白期間が生まれないぶん、書類は通りやすい。辞めてから探すのは、体調を崩している場合だけ

求人が増える時期に合わせる

中途求人が厚くなるのは1〜3月、9〜10月、6〜7月。補充の稟議が通る時期と重なる

エージェント1社に、大手の第二新卒枠がいま開いているかを聞く

求人票からは読めない。聞くだけなら無料で、急かされたら断っていい

書類の3点を埋めてから、第一志望を出す

辞めた理由・動いた形跡・職務内容。書類は同じ会社に出し直せない

大手以外にも、同じ職種で並行して出す

通過率15%前後なら6〜7社で1社。大手だけだと母数が足りない

3つめで「いまは無い」と返ってきたら、あなたが落ちたわけではない。枠が閉じているだけです。次に厚くなる時期まで、書類の3点を直しておけばいい。

在職中に動く理由を、もう1つ。枠が開くタイミングは選べません。開いたときに出せる書類が手元にあるかどうかで決まります。いま、出せる書類はありますか? 辞めてから作り始めると、開いている期間に間に合わないことがある。

よくある質問

第二新卒で大手は本当に無理ですか

無理かどうかを決めているのは会社の規模より、枠が開いている時期、職種、書類の3点です。1,000人以上の事業所でも大卒の3年以内離職率は27.0%で、抜けた穴を埋める枠は大手にも生まれます。

知恵袋で「第二新卒で大手は無理」と書かれていました。信じていいですか

書いた人が見た範囲の話として読んでください。枠は時期で開いたり閉じたりするので、その人が出したときは閉じていた可能性があります。いま開いているかは、その会社に候補者を送っているエージェントに聞くのが早いです。

未経験の職種で大手に行くのは無理ですか

第二新卒でいちばん狭い組み合わせです。未経験可の求人は法律上、長期勤続を前提に設計されていて、若いほど有利になります。社会人経験3年以内のうちに動くほうが通りやすく、大手だけに絞らず同じ職種で横に並べて出してください。

第二新卒で大手を狙うなら何歳までですか

法律に第二新卒の定義はなく、募集・採用で年齢を理由に機会を制限することは労働施策総合推進法9条で原則禁止です。実務で効くのは年齢より社会人経験の年数で、僕の会社では3年が境目でした。

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