入社して3か月。もう辞めたい。でも「3か月で辞めたら人生終わり」と書いてある記事を見て、動けなくなっていませんか?
「3か月で辞めたら人生終わり」。そう書いてある記事は、たいてい送り出す側が書いています。受け入れる側が何を見ているかは、あまり出てきません。
僕はいまも人を採る側にいます。経営者として8年、採用の最終決裁をしてきました。その前に事業会社で採用担当を2年。3か月・半年で辞めた人の書類も実際に見ています。採る判断も、落とす判断もする側です。面接した人数は、覚えていないけれど500人くらい。
その立場から書きます。3か月で辞めたこと自体で落としたことは、ほとんどありませんでした。
※ 数字は僕が担当した企業1社の実数です。業界・企業規模で変わります。法令の記述は公的資料によります。
3か月で辞めても、新卒枠に戻れる期間がある
まず、制度の話から。知らない人が多いのですが、卒業後3年以内なら「新卒枠」で応募できる仕組みがあります。
ここで大事なのは「努めること」という言い方です。義務ではありません。努力義務です。つまり、受け付ける会社と受け付けない会社の両方があります。
実務でも、新卒枠に既卒を入れている会社と、中途枠に回す会社がありました。僕の会社は中途枠にしています。だから「新卒枠に戻れます」と言い切る記事は、少し楽観的です。会社ごとに確かめてください。
3か月で辞めた人は、どこへ行っているか
僕が見ていた範囲で、早期離職からの応募は3つに分かれていました。
| 行き先 | 多かった動き方 | 採用側から見た通りやすさ |
|---|---|---|
| 同じ職種・別の会社 | 営業から営業、事務から事務。仕事は変えず、環境を変える | いちばん通りやすい |
| 別の職種・未経験枠 | 第二新卒の未経験可の求人へ。社会人経験は短くても可 | 通る。ただし要件を読んで出す必要がある |
| 新卒枠に戻る | 卒業3年以内で、既卒を受け付けている会社へ | 会社によって受け付けが分かれる |
いちばん多かったのは1つめでした。職種を変えないほうが、書類は通ります。新卒の書類で落ちる理由は【通過率9%→24%】新卒の書類選考で落ちる理由にまとめています。3か月でも同じ仕事をしていたなら、そこは経験として読めるからです。
職種を変えたい場合は、2つめになります。第二新卒向けの未経験可の求人は実際にあって、そこは社会人経験の長さを要件にしていません。求人票の応募資格を読めば分かります。
採用側が、早期離職の書類で見ていたこと
在籍3か月と書いてあると、確かに目には入ります。ただ、そこで判断はしていませんでした。見ていたのは2つです。
- 辞めた理由が書いてあるか — 書いていないと、想像で埋めることになる。想像は悪いほうに寄る
- 辞める前に自分が何かしたか — 相談した、希望を出した、やり方を変えた。1行でいい
この2つが埋まっていれば、在籍3か月でも面接に呼んでいました。書類で落ちる理由は【落としていた3つ】第二新卒の書類が通らない理由に、3つ全部を書いています。逆に、3年いても埋まっていなければ落ちます。
3か月という長さより、その3か月をどう説明するかのほうがはるかに効きます。書類の段階で決まっているのは、そこでした。
3か月の経験でも、職務経歴書に書けることはある
いちばん多かった相談が「3か月では書くことがない」でした。ただ、書類を読んでいた側から言うと、書くことが無い人はいませんでした。思い出していないだけです。
3か月なら、この3つのどれかは触っているはずです。
| 職種 | 3か月で触っているはずのもの | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 営業 | 同行・リスト作成・議事録 | 先輩に同行して月15件訪問。訪問先の要望を議事録にまとめ、チームの共有フォルダに残した |
| 事務 | 入力件数・書類の種類 | 請求書と納品書の処理を担当。月80件を入力し、前任の手順書に抜けがあった箇所を追記した |
| 販売・接客 | シフト・レジ・品出し | 週5日のシフトでレジと品出しを担当。閉店前の在庫チェック表を自分で作り、翌日の発注に使った |
右側に共通しているのは、数字が1つと、自分が作ったものが1つ入っていることです。手順書、共有フォルダ、チェック表。3か月でも、何か残しています。
「教えてもらっていただけ」と思っていても、教わったことをメモにまとめていれば、それは残したものです。残したものを1つ書けると、書類の読まれ方が変わります。
辞める理由が体調なら、書き方を変える
早期離職の理由で多いのが体調です。ここは書き方に注意が要ります。
正直に書いたほうがいい、という記事をよく見ます。ただ、採用側から見ると「もう大丈夫なのか」が書いていないと判断できません。
3つ入っています。何が起きたか、いまどうか、次はどうするか。この3つがあると、心配で落とすことはありませんでした。
逆に「体調不良のため退職」だけだと、面接に呼ぶかどうかで迷います。聞きにくいことなので、書いてあるほうが助かるというのが本音でした。
辞める前に確かめておく3つ
採る側から見て、辞めたあとで困っている人が多い点を書きます。
自己都合だと給付制限がある。しかも被保険者期間が12か月に足りないと、そもそも受給できないことがある。3か月なら該当します
退職の翌日から20日以内に手続きしないと、任意継続が選べなくなります
1月〜4月の退職は、残りが最終給与から一括徴収されます
在職中の応募のほうが、空白期間が生まれません
4つめは、採用側から見た実感です。空白期間が長くなるほど、その期間の説明が必要になります。3か月の在籍より、その後の半年の空白のほうが聞かれました。
ただ、体調を崩しているなら、先に辞めてください。これは採用の話とは別です。働けなくなるほうが、はるかに損が大きい。
いつ動くのが不利にならないか
中途採用の求人が増える時期があります。自分が採用側にいたので、そこは分かります。
- 1月〜3月 — 4月入社に合わせた募集。第二新卒枠がいちばん増える
- 9月〜10月 — 下期の開始前。上期に採り切れなかった枠が回ってくる
- 6月〜7月 — 新卒採用が一段落して、中途の増員稟議が通りやすい
逆に、動きにくいのは大型連休の前後でした。選考が止まって、返事が2週間来ないことがあります。
1年目で辞めるなら、入社1年未満のうちに動くほうが、第二新卒枠を使えます。2年、3年と経つと「第二新卒」から外れて、経験者としての要件で見られるようになります。
よくある質問
- 3か月で辞めたら経歴に傷がつきますか
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在籍3か月というだけで落としたことは、ほとんどありません。落としていたのは、退職理由が書いていない書類のほうです。
- 履歴書に3か月の在籍を書かないほうがいいですか
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書いてください。書かないと空白期間になり、そちらのほうが強く引っかかります。雇用保険や社会保険の記録でも分かります。
- 新卒枠にもう一度応募できますか
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厚生労働省の指針で、事業主は卒業後少なくとも3年間は応募できるよう努めることとされています。ただし努力義務なので、会社によって受け付けが分かれます。新卒採用ページの応募資格を確認してください。
- 失業手当はもらえますか
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自己都合の退職には給付制限があります。また、被保険者期間が足りないと受給できないことがあります。3か月の在籍だと該当する可能性が高いので、ハローワークで確認してください。
- 次を決めてから辞めるべきですか
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採用側から見ると、在職中の応募のほうが通りやすいです。空白期間が生まれないからです。ただし体調を崩している場合は、先に辞めることを優先してください。
- 3か月の経験は職務経歴書に何を書けばいいですか
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件数・社数・金額のどれか1つを思い出してください。3か月でも触ったものはあります。「言われたことをやっただけ」でも、その件数は書けます。
