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【厳しいのは書類だけ】第二新卒の転職はどこが厳しいのか | 通過率15%,年齢制限の条文も

【厳しいのは書類だけ】第二新卒の転職はどこが厳しいのか | 通過率15%,年齢制限の条文も

第二新卒で応募を始めたのに、書類が返ってこない。あるいは、これから動こうとして「第二新卒の転職は厳しい」と聞き、手が止まっている。そのどちらかだと思います。

「短期離職は不利だ」と言う人がいます。その隣に「第二新卒は歓迎されている」と書く記事もある。どちらを信じればいいのでしょうか? 両方とも、半分だけ合っています。

僕はいまも人を採る側にいます。経営者として8年、採用の最終決裁をしてきました。その前に事業会社で採用担当を2年。第二新卒の書類を落とす判断も、面接に呼ぶ判断も、自分でしています。面接した人数は、覚えていないけれど500人くらい。

採る側から書きます。厳しい場所と厳しくない場所は、はっきり分かれていました。

※ 統計は厚生労働省の公表資料、法令は e-Gov 法令検索の原文を2026年9月12日に確認しました。実務の記述は僕が関わってきた採用のものです。

目次

「厳しい」の正体は、書類の通過率

先に数字を置きます。僕が見ている採用の、書類通過率。

応募枠書類通過率母数の中身
新卒(媒体3つ)9%絞る前の応募
新卒(媒体1つに絞った後)24%絞った後の応募
中途(第二新卒を含む)15%前後エージェント経由と自社応募の合計

15%前後というのは、6〜7社出して1社通る計算です。10社出して全部落ちることも、普通に起きる。

これが「厳しい」の正体でした。第二新卒だけが厳しいのではありません。中途採用そのものが、要件の合う・合わないで決まる割合が大きい。新卒より母数の切り方が細かいので、数字が低く見えます。

5社落ちて、自分に問題があると思っていませんか? そこで結論を出すのは早い。母数が足りていないだけのことが多かった。

では、書類を抜けたあとはどうか? 景色が変わります。面接で短期離職を理由に落とした記憶は、ほとんど無い。厳しいのは入口だけ。ここから先で、どこが厳しくてどこが厳しくないかを切り分けます。

第二新卒は少数派ではない。ライバルは多い

「短期離職は少数派で、目立つから不利」。本当にそうでしょうか? 国の統計を見ると、違う絵が出てきます。

厚生労働省「令和5年 若年者雇用実態調査」(在学していない15〜34歳が対象)。初めて勤務した会社に「勤務していない」42.7%。最終学歴別では大学卒34.1%、雇用形態別では正社員33.3%。

大学卒に限っても、3人に1人が最初の会社を離れている。別の統計でも、大学卒の3年以内離職率は33.8%(令和4年3月卒業者)。採る側は、この数字を前提に採用計画を組んでいます。初職を離れた人の応募が来るのは、想定の内側です。

ここまでは、厳しくない側の話。厳しい側の数字も、同じ調査にあります。

若年正社員のうち、今後「転職したいと思っている」人は31.2%。20〜24歳に限ると35.0%で、年齢層の中でいちばん高い。動こうとしているのは、あなた1人ではない。

同じ枠に、同じような書類が並びます。少数派だから落ちているのではない。似た書類が並ぶから、差がつく。どこで差がつくのかは、次の表で切り分けます。

3か月や半年で辞めた人がどこへ行っているかは【3か月で辞めた人の行き先】新卒の早期離職に書きました。「やめとけ」と言われて迷っている人は、第二新卒はやめとけと言われる根拠も読んでみてください。

採る側が厳しくしているところ、していないところ

ここが本題。上の数字と、僕が実際にしていた判断を、1つの表にまとめました。

見られる場所厳しさ採る側で実際に起きていたこと
書類の通過率厳しい15%前後。6〜7社に1社。母数を出さないと始まらない
退職理由の書き方厳しい理由が無い・動いた形跡が無い・職務が役職名だけ、で落とす
社会人経験3年超厳しい要件がポテンシャルから実績に変わる。未経験可の求人が減る
短期離職そのもの厳しくない在籍月数だけで落としたことは、ほとんど無い
年齢厳しくない募集・採用の年齢制限は原則禁止(労働施策総合推進法9条)。書類で見ていたのは卒業年と在籍年数
職歴の短さ厳しくない未経験可の求人は、職業経験を不問にすることが条件(同法施行規則1条の3第1項3号イ)
面接厳しくない確かめるのは「同じことが起きたらどうするか」の1点

厳しい3つは、全部「書類の段階」の話。厳しくない4つのうち、年齢と職歴の短さは条文で裏が取れます。感覚の話ではない。

下の4行で落ちていると感じていませんか? 短期離職そのもの、年齢、職歴の短さ、面接。そこで落ちたと思っているなら、実際に引っかかったのは別の行です。上の3行のどれかに当たっている。

厳しさは、書類の書き方と動く時期に集中しています。この2つは、あなたの側で変えられます。

年齢と職歴の短さで切るのは、原則として法違反

「若くないと不利」「経験が短すぎる」。この2つの不安は、条文で消せます。

労働施策総合推進法9条。事業主は、労働者の募集及び採用について、原則として年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないと定めています。例外は同法施行規則1条の3第1項に限られ、そのうち3号イが「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合」。職業経験を不問とすることが条件です。

この3号イが、「未経験可」「若手歓迎」の求人の根拠になっています。年齢で若い人を集めたい会社は、経験を問えない。だから、職歴の短さを理由に落とせる求人ではない。逆に「経験3年以上」と書く求人は、年齢で切れない。

求人票を読むとき、この2つは同時に成立しないと覚えておくと早い。例外6つの一覧は【線を引くのは会社】第二新卒はいつまでに載せています。

もう1つ。卒業後3年以内なら、新卒枠も残っています。厚生労働省の指針で、事業主は「既卒者が卒業後少なくとも3年間は応募できるように努めること」とされている。努力義務なので受け付けない会社もありますが、新卒採用ページの応募資格に「卒業後3年以内の方を含む」とあれば出せます。

厳しくない側には、これだけ根拠があります。では、厳しい側はどこか? 書類です。

書類で落としていた3つと、直し方

第二新卒の書類を落とすとき、在籍月数で手が止まったことはない。落としていたのは、この3つでした。

  1. 辞めた理由が書いていない — いちばん多い。読む側は想像で埋める。想像は悪いほうに寄る
  2. 辞める前に動いた形跡が無い — 相談した、異動を希望した、やり方を変えた。どれも無いと「うちでも同じことが起きたら辞める」と読まれる
  3. 職務内容が役職名だけ — 「営業部 配属」で終わっている。半年でも、触ったものはある

落としていた書き方 — 職務経歴の最後が「2025年3月 一身上の都合により退職」。理由も、動いたことも、触った業務も書いていない。

通していた書き方 — 「配属後に業務内容が異なると分かり、異動を希望。募集枠が無いとの回答で、職種を変えるため退職」。何が起きて、自分は何をして、それでも解決しなかった、の順で2〜3行。

3つとも、書き方の問題です。在籍が10か月でも、埋まっていれば通していました。3年いても、埋まっていなければ落ちます。直す順番と職種別の書き方は【落としていた3つ】第二新卒の書類が通らない理由に全部書きました。

あなたの書類は、3つのどれに当たっていますか? 自分では見えにくい。書いた本人には、書いていないことが見えないからです。

同じ書類でも、届き方で通過率が違った

書き直す前に、もう1つ。同じ人の書類でも、届き方で結果が変わっていました。

エージェント経由の応募には、推薦文が付いてきます。「短期離職の理由はこうで、こういう点でこの枠に合う」と書いてある。読む側が、想像で埋める必要がなくなる。上の3つのうち、1つめと2つめを推薦文が先に埋めてくれる形です。

僕はエージェント経由で1人採るたびに、60万〜100万円の手数料を払っていました。その金額を払う代わりに、会社は事前に選別された応募を受け取っている。だから、自社応募より通過率は高くなる。

求職者側は無料。なぜでしょうか? 理由は法律にあります。

職業安定法32条の3。有料職業紹介事業者が手数料を受けられるのは、原則として求人者(企業)からです。求職者から手数料を取れるのは限られた職種だけで、上限は賃金の100分の11(同法施行規則20条2項)。

書類が6〜7社に1社しか通らないなら、1社登録して、いまの枠を聞いてみる価値はあります。転職が決まって初めて報酬が出る構造なので、急かしてくることはある。合わなければ断って構いません。断り方の例文は【例文5つ】就活エージェントの断り方にあります。

面接まで行けば、短期離職はそこまで効かない

書類を抜けたあと、短期離職はどれくらい効くのでしょうか? 答えは「そこまで効かない」です。

面接で退職理由を聞くとき、採る側が確かめていたのは1つだけでした。同じことがうちで起きたとき、この人はどうするか。過去を責めたいわけではない。

聞かれること自体は、避けられない。厚生労働省の「公正な採用選考の基本」は、本籍や家族の職業など本人に責任のない事項を把握することを、就職差別につながるおそれがあるとしています。退職理由・在籍期間・職務内容は、適性・能力に関わる事項なので聞かれます。隠すより、答え方を用意しておく。

通る形 — 「配属後に業務内容が違うと分かった時点で、異動の希望を出しました。枠が無いとの回答で、退職を決めています。次は配属前に業務範囲を確認し、違いがあれば早い段階で相談します」

反省だけで終わると弱い。「次はこうする」まで言えると、短期離職は学習した経験として読まれます。面接まで来た時点で、在籍月数は読み流されている。話す中身で決まる。

出す社数と、動く時期

何社出せば足りるのでしょうか? 通過率15%前後なら、6〜7社で1社。3社出して全滅しても、まだ母数の内側。20社出して全滅なら、書き方を疑ってください。

第一志望ではない会社から3社出す

書類の直しは、落ちてみないと分からない

3社全滅なら、3つのどれに当たっているかを直す

第三者に読んでもらうと、5分で分かる

直してから、第一志望を出す

同じ会社に、書類は出し直せない

並行してエージェントに1社登録する

推薦文が付くと、同じ書類の読まれ方が変わる

時期も選べます。中途の求人が増えるのは1〜3月、9〜10月、6〜7月でした。4月入社に向けた1〜3月が、第二新卒枠はいちばん厚い。9〜10月に3社出して書類を直し、年明けの1〜3月を本命にする組み方もできます。

いつまでに動くべきか? 社会人経験が3年を超えると、要件が実績に変わります。職種を変えたいなら、3年より手前で動くほうが未経験可の求人が多い。同じ職種で環境だけ変えるなら、急がなくていい。

在職中の応募のほうが、書類は通りやすい。空白期間が生まれないからです。体調に問題がなければ、辞める前に動いてください。

よくある質問

第二新卒の転職は本当に厳しいですか

厳しいのは書類です。僕が見ている中途採用の書類通過率は15%前後で、6〜7社出して1社通る計算でした。面接まで行けば、短期離職そのものはそこまで効きません。

第二新卒の転職が厳しいと感じるのは、何社落ちてからですか

5社では判断できません。通過率15%前後なら、5社全滅は母数の内側です。20社出して全部落ちているなら、退職理由・動いた形跡・職務内容のどれかが書けていません。

年齢が高いと第二新卒の転職は厳しいですか

労働施策総合推進法9条で、募集・採用の年齢制限は原則禁止です。僕の会社で見ていたのは社会人経験の年数で、3年を超えると要件がポテンシャルから実績に変わります。

短期離職を書かずに応募したほうが通りますか

書いてください。空白期間のほうが強く引っかかります。前職で雇用保険に入っていれば、次の会社の資格取得届に被保険者番号を書くので、過去に働いていたことは分かります(雇用保険法施行規則6条1項)。

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