第二新卒で応募しても、書類で止まる。「やっぱり短期離職はダメなのか」と思いますよね。
「短期離職は不利」「ポジティブに書こう」。よく見る話です。ただ、それを書いているのは送り出す側で、落としている側ではありません。
僕はいまも人を採る側にいます。経営者として8年、採用の最終決裁をしてきました。その前に事業会社で採用担当を2年。中途では第二新卒の応募も見ていて、落とす判断をしている側です。面接した人数は、覚えていないけれど500人くらい。
結論を先に書きます。短期離職そのもので落としたことは、ほとんどありませんでした。落としていたのは、別のところです。
※ 数字は僕が担当した企業1社の実数です。業界・企業規模・年度で変わります。法令の記述は公的資料によります。
短期離職では落としていない。落としていたのは3つ
第二新卒の書類を見るとき、在籍月数は最初に目に入ります。ただ、そこで手が止まることはありませんでした。短い人を採ったこともあります。
落としていたのは、この3つです。どれも短期離職とは関係ありません。
- 退職理由が書いていない — いちばん多い。触れずに飛ばしている
- 何をやっていたかが分からない — 会社名と部署名だけで、業務が書いていない
- 次も同じ理由で辞めそうに読める — 退職理由が全部、環境のせいになっている
3つとも書き方の問題です。在籍が10か月でも、この3つが埋まっていれば通していました。逆に3年いても、埋まっていなければ落ちます。
① 退職理由が書いていない
職務経歴書に退職理由を書く欄はありません。だから書かない人が多い。でも、読む側はそこを探しています。
1年未満で辞めている人の書類を見たとき、採用側の頭に浮かぶのは1つだけです。「何があったんだろう」。その答えが書いていないと、想像で埋めることになります。あなたの書類は、想像の余地を残していませんか?想像は、たいてい悪いほうに寄ります。
長く書く必要はありません。2〜3行あれば、想像で埋められずに済みます。面接で聞けばいい話ではあるのですが、書類の段階で落ちてしまうと面接まで行けません。
② 何をやっていたかが分からない
在籍が短いと、書けることが少なくなります。それで「株式会社◯◯ 営業部 配属」で終わっている書類が多い。本当に多かった。
採用側が見ているのは、在籍期間そのものではありません。その期間に何を触ったかです。半年でも、触ったものはあります。
| 落としていた書き方 | 通していた書き方 | |
|---|---|---|
| 営業 | 営業部に配属、法人営業を担当 | 既存顧客40社を引き継ぎ、月20件訪問。うち5社で追加受注 |
| 事務 | 一般事務として書類作成を担当 | 請求書を月120件処理。前任の手順書が無かったので作成し、後任に引き継いだ |
| 販売 | 店舗スタッフとして接客を担当 | レジと発注を担当。売場の在庫表を週次で作り、欠品を減らした |
右側は、どれも数字が1つと、自分が動かしたことが1つ入っています。半年でも書けます。「言われたことをやっただけ」と思っていても、何かは触っています。
ここが埋まっていると、在籍期間の短さは読み流されます。書くことが無いわけではありません。思い出していないだけです。
③ 次も同じ理由で辞めそうに読める
これがいちばん厳しい。落とす理由としては一番はっきりしていました。退職理由が書いてあっても、こう読めると落とします。
- 「残業が多かった」だけで終わっている
- 「上司と合わなかった」だけで終わっている
- 「聞いていた仕事と違った」だけで終わっている
どれも本当のことだと思います。ただ、これだけだと「うちでも同じことが起きたら辞めるのでは」と読めます。採用側は、また半年で抜けるリスクを見ています。
この読まれ方を外す方法は1つです。辞める前に自分が何をしたかを、1行入れること。上司に相談した、部署異動を希望した、やり方を変えてみた。何でも構いません。
| 落ちる書き方 | 通る書き方 | |
|---|---|---|
| 残業 | 残業が月80時間を超えており、体調を崩したため退職 | 残業が月80時間を超えていたため、業務の棚卸しを上長に提案。改善が見込めず、体調面から退職を判断 |
| ミスマッチ | 入社前に聞いていた業務と実際が異なり退職 | 配属後に業務内容が異なると分かり、異動を希望。募集枠が無いとの回答で、職種を変えるため退職 |
右側には「自分が動いた」が入っています。これがあるだけで、環境のせいにする人には読まれません。事実として動いていないなら、無理に書かなくて構いません。ただ、動いたのに書いていない人がとても多い。
第二新卒の書類通過率は、新卒より低い
数字を出します。僕が見ている中途採用の数字です。
| 書類通過率 | 母数の中身 | |
|---|---|---|
| 新卒(絞る前) | 9% | 媒体3つからの応募 |
| 新卒(絞った後) | 24% | 媒体1つに絞った応募 |
| 中途(第二新卒を含む) | 15%前後 | エージェント経由と自社応募の合計 |
中途は新卒より要件が細かいので、合う・合わないで決まる割合が大きくなります(新卒側の数字は新卒の書類選考で落ちる理由に書きました)。15%というのは、6〜7社出して1社通る計算です。10社出して全部落ちることも普通に起きます。
5社落ちたら、自分に問題があると思いますか? そこで判断しないでください。母数が足りていないだけのことが多い。
エージェント経由と自社応募で、通過率が違った
同じ人の書類でも、届き方で結果が変わることがありました。
エージェント経由の応募には、推薦文が付いてきます。「短期離職の理由はこうで、こういう理由でうちに合うと思う」と書いてある。これがあると、想像で埋める必要がなくなります。
僕はエージェント経由で1人採るたびに60万〜100万円の手数料を払っていました。その金額を払う代わりに、企業側は「事前に選別された応募」を受け取っています。だから、通過率は自社応募より高くなります。
第二新卒で書類が通らないなら、エージェントを1社通してみる価値はあります。同じ書類でも、届き方で結果が変わるとしたら試す価値はありませんか?推薦文が付くだけで、同じ書類の読まれ方が変わります。求職者側は無料です。理由は職業安定法にあります。
面接まで行けば、短期離職はそこまで効かない
書類さえ通れば、あとは話せます。面接で短期離職について聞くとき、採用側が確かめているのは1つだけでした。
同じことがうちで起きたとき、この人はどうするか。過去を責めたいわけではありません。
だから、面接での答え方も書類と同じ形になります。何が起きて、自分は何をして、それでも解決しなかった。そこに「次はこうする」を1つ足すと、話が前を向きます。
反省だけで終わると弱い。次にどうするかまで言えると、短期離職は「学習した経験」として読まれます。
出す社数と、出す順番
通過率15%なら、6〜7社で1社です。ただ、全部を同時に出す必要はありません。
書類の直しは、落ちてみないと分からない
3つのどれかに当たっている
書類は出し直せない
推薦文が付くと読まれ方が変わる
1つめに抵抗があるかもしれません。ただ、第一志望を最初に出して落ちたら、直す機会が残りません。書類選考は、同じ会社に何度も出せません。
書類を直す順番
3つ全部を直す必要はありません。上から順に、1つずつで構いません。
何が起きて、自分は何をして、それでも解決しなかった、の順
件数・社数・金額。半年でも必ず何かある
相談した、提案した、希望を出した
3つのどれに当たっているかは、他人なら5分で分かる
4つめが効きます。書いた本人には、書いていないことが見えません。僕も採用側で人の書類を毎日読んでいましたが、自分の書類を作ったときは同じ穴に落ちました。新卒の書類で落ちる理由は【落としていた3つ】新卒の書類選考で落ちる理由に書いています。3つのうち2つは第二新卒と同じでした。
そもそも、いつまで第二新卒として応募できるのか
ここまで書き方の話をしてきましたが、前提として「自分はまだ第二新卒枠なのか」が気になると思います。
法律に第二新卒の定義はありません。線を引いているのは各社の応募資格欄で、僕がいた会社は社会人経験3年を境目にしていました。3年を超えると、要件がポテンシャルから実績に変わります。
年齢で絞ることには法律の制限があるので、求人票は年齢ではなく年数で書かれます。その仕組みは別の記事にまとめました。
よくある質問
- 在籍何か月から短期離職ですか
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明確な線はありません。僕が見ていた範囲では、1年未満だと退職理由を探して読んでいました。ただ、それで落としていたわけではなく、理由が書いていないと落ちていました。
- 短期離職は職務経歴書に書かなくていいですか
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書いてください。書かないと経歴に空白が生まれ、そちらのほうが強く引っかかります。社会保険の記録でも分かるので、隠しきれません。
- 退職理由は正直に書いていいですか
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書いていいです。ただし「環境が悪かった」で終わらせず、自分が何をしたかを1行足してください。そこが無いと、次も同じ理由で辞めると読まれます。
- 第二新卒の書類通過率はどれくらいですか
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僕が担当した会社の中途採用で15%前後でした。6〜7社出して1社通る計算です。企業や職種で大きく変わります。
- エージェントを使うと通過率は上がりますか
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推薦文が付くぶん、読む側が想像で埋める必要がなくなります。僕が見ていた範囲では、エージェント経由のほうが通過率は高かったです。求職者は無料で使えます。
- 職務経歴書に書くことがありません
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在籍が半年でも、触ったものはあります。件数・社数・金額のどれか1つを思い出してください。「言われたことをやっただけ」でも、その件数が書けます。
