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【通過率9%→24%】新卒の書類選考で落ちる理由 | 採用担当が見ていた3か所も

【通過率9%→24%】新卒の書類選考で落ちる理由 | 採用担当が見ていた3か所も

「エントリーシート、どれくらい落ちるんだろう」。調べると50〜60%とか30%とか、いろんな数字が出てきます。でも、その数字はどこから来たものですか?

ただ、その数字の出どころを見てください。四季報からの逆算、業界の平均、アンケート。ほとんどが推測です。実際に書類を落としている側が出した数字は、まず出てきません。

僕はいまも人を採る側にいます。経営者として8年、採用の最終決裁をしてきました。その前に事業会社で採用担当を2年。新卒と中途の両方を、書類から最終面接まで見ています。面接した人数は、覚えていないけれど500人くらい。この記事で出す数字は、全部その現場のものです。

※ 法令や制度の記述は公的資料によります。数字は僕が担当した企業1社の実数で、業界や企業規模で変わります。

目次

僕が担当していた新卒の書類通過率は9%だった

まず、数字から出します。同じ会社の、同じ新卒採用です。

1年目2年目何を変えたか
応募数(月)80件45件媒体を3つから1つに絞った
書類通過率9%24%求人票の要件を現場と作り直した
内定承諾率62%81%一次面接を現場に渡した

1年目の通過率は9%。10人に1人も通っていません。80件のうち、次に進めたのは7人。73人は書類で落としています。

注意してほしいのは、この9%は「書類が悪かった人が9割」という意味ではありません。媒体が広すぎて、そもそも求めている人と違う応募が大量に来ていました。落とされた人の多くは、書類の出来で落ちたわけではありません。相手が違っただけです。

通過率が表しているのは、あなたの書類の点数ではありません。その会社の絞り方です。同じ書類でも、会社が変われば結果が変わります。

2年目に24%まで上がった理由

やったのは、書類の読み方を変えることではありませんでした。入口を絞りました。

  1. 媒体を3つから1つに — 応募が80件から45件に減った。ここで「応募が減った」と怒られた
  2. 求人票の要件を現場と作り直した — 「歓迎スキル」に並べていた項目を半分に削った
  3. 変更の範囲と業務内容を具体的に書いた — 入ってから違うと言われる要素を減らした

結果、応募は45件に減って、通過は11人になりました。通過人数は7人から11人に増えています。母数を減らしたのに、次に進む人は増えた。

ここから分かることが1つあります。通過率が低い会社は、絞れていない会社かもしれない。応募者の側から見ると、通過率の低い求人は「人気がある」とは限りません。

落とした書類は、毎回だいたい同じ3か所でひっかかっていた

73人分を落とした側として書きます。理由は毎回ばらばらではありませんでした。3か所に集中していました。

① 志望動機が、うち以外でも成り立つ

いちばん多かったのがこれです。ほぼ半分がここでした。「人の成長に関わりたい」「社会に価値を届けたい」。この会社でなくてもいい文章だと、読んだ瞬間に分かります。

見分け方は簡単で、社名を別の会社に置き換えて成り立つかどうかです。成り立つなら、それは志望動機ではなく業界への感想になっています。

落とした書き方 — 「貴社の理念に共感し」「人の役に立つ仕事がしたい」「風通しの良い社風に惹かれ」。この3つが並んでいる書類は、ほぼ全部が同じ文面でした。

通した書き方 — 求人票に書いてある業務のうち、どれをやりたいか名指ししてある。それをやりたい理由が、自分の経験とつながっている。

求人票には、募集している業務が書いてあります。2024年4月からは「変更の範囲」も書くことが義務になりました。そこを読んで書いてくる人は、10人に1人もいませんでした。読むだけで差がつきます。

② 何をしたかは書いてあるが、どうなったかが無い

ガクチカでよく起きます。「サークルの代表を務めました」「アルバイトでリーダーを任されました」。役割だけ書いて、そこで何が変わったかが書いていない。

採用側が見ているのは役職ではありません。あなたが動いたことで、何が、どこから、どこへ動いたかです。

落とした書き方通した書き方
アルバイトリーダーとして店舗をまとめた新人が3か月で半分辞めていたので、初日の手順書を作った。翌年は6人中5人が残った
サークル代表として運営を改善した参加率が4割まで落ちていたので、活動を週2回から週1回に減らした。参加率が7割に戻った
ゼミ研究に主体的に取り組んだアンケートの回収が30件で止まっていたので、配布方法を変えて110件にした

右側に共通しているのは、数字が2つ入っていることです。前と後ろ。これがあるだけで、書類は最後まで読まれます。

数字がない経験でも構いません。「◯◯だったので、△△した。結果□□になった」という形になっていれば十分です。

③ 求人票の条件と、明らかに噛み合っていない

これは書類の質の話とは別です。応募先が違うという話です。

勤務地が全国転勤ありと書いてあるのに「地元で働きたい」と書いてある。職種が営業なのに、志望動機が企画の話になっている。こういう書類は、読む側がどうしようもありません。

落とす側としても、いちばん残念な理由でした。書類は悪くないのに、応募先が合っていない。求人票を先に読んでいれば防げた話です。

通過率が低く見える数字には、からくりがある

ネットに出ている通過率が会社によってばらばらなのは、母数の数え方が統一されていないからです。採用側にいると、これがよく分かります。

数え方分母通過率の見え方
エントリー数で割る説明会に登録しただけの人も含む低く出る
ES提出数で割る実際に書類を出した人だけ実態に近い
選考辞退を除く出したあと自分から辞めた人を抜く高く出る

同じ会社の同じ年でも、この3つで数字が2倍以上ずれる。「通過率30%」と書いてある記事が、どの数え方なのかは、まず書いてありません。

だから、他社の通過率と自分の結果を比べても意味がありません。見るべきなのは自分が出した社数と、通った社数だけです。10社出して1社なら、3か所のどれかに当たっている可能性が高い。

何社出せばいいのか

社数の目安をよく聞かれます。ただ、採用側から見ていたのは数ではありませんでした。中身です。

僕が見ていた範囲で、通っていた人には共通点がありました。求人票の言葉を書類の中で使っていることです。募集要項に「既存顧客への提案」と書いてあれば、その言葉で自分の経験をつないでくる。コピーではありません。要件に合わせて、話す経験そのものを選び直している。

  • 求人票を読んでから書いた書類 — 業務内容のどれをやりたいか名指ししてある
  • 読まずに書いた書類 — 業界への感想と、自分の性格の話で終わっている

読んで出すと1社あたりの時間は増えます。でも、読まずに30社出すより、読んで10社出すほうが通過数は多くなりました。落ちる書類は、何社出しても同じ場所で落ちます。

出したあと、何日で結果が来るか

待っている時間がいちばんつらい。よく分かります。採用側の事情を書いておきます。

締切から数日は動かない

応募をまとめて見るので、早く出しても早く結果が出るとは限らない

書類は1人あたり数分

落とす判断は早い。通す判断のほうが時間がかかる

現場の確認待ちで止まる

人事が通したあと、配属先の上長が見る。ここで1週間止まることがある

連絡が早い=不採用とは限らない

早く通ることも普通にある

2週間返事が来ないときは、聞いて構いません。催促で心証が悪くなることは、僕が見た範囲ではありませんでした。むしろ、選考が止まっていたことに気づくきっかけになります。

書類は、自分の目では直せない

3つとも、自分で読み返しても見つかりません。まず気づけない。理由ははっきりしていて、書いた本人には、書いていないことが見えないからです。

僕は人の書類を毎日読んでいます。それでも、自分の職務経歴書を作ったときは同じ穴に落ちました。整っているのに、何が強いのか分からない文章になっていました。

だから、第三者に1回通してください。大学のキャリアセンターでも、就活エージェントでも、社会人の知り合いでも構いません。見てもらうのは1回で十分です。3か所のうちどれに当たっているかは、他人が読めば5分で分かります。

見てもらうときは「添削してください」と言わないほうがいい。「社名を変えても成り立ちませんか」とだけ聞いてください。そこだけ答えてもらえば足ります。

第二新卒で応募する場合は、見られる場所が1つ増える

ここまでは新卒の話です。すでに社会人として働いていて、そこから応募する場合は、採用側が見る場所が1つ増えます。退職理由です。

中途採用で第二新卒の書類を見るとき、在籍月数は最初に目に入ります。ただ、僕はそこで落としていませんでした。落としていたのは、退職理由が書いていない書類のほうです。

新卒の3つと重なる部分もありますが、順番が変わります。詳しくは別の記事に書きました。

よくある質問

新卒の書類選考の通過率は平均どれくらいですか

業界や企業規模で大きく変わるので、平均値はあまり参考になりません。僕が担当した会社では、絞る前が9%、絞ったあとが24%でした。同じ会社でも運用を変えれば2倍以上動きます。

通過率が低い企業は人気企業ですか

そうとは限りません。母集団を絞れていない会社も通過率が下がります。応募が多い=人気、とは読まないほうがいいです。

何社出せばいいですか

社数より、求人票を読んで出した数のほうが効きます。読まずに30社出すより、読んで10社出すほうが通過は多くなります。

学歴で落とされていますか

年齢を理由に落とすことは法律で制限がありますが、学歴には同じ制限がありません。ただ、僕の会社では学歴でフィルターはかけていませんでした。会社によります。

書類が通らないとき、まず何を直せばいいですか

志望動機です。3つのうちいちばん多かった理由がここでした。社名を別の会社に置き換えて成り立つなら、そこを書き直してください。

誤字があると落ちますか

誤字1つで落としたことはありません。ただ、誤字が多い書類は他の部分も雑なことが多く、結果的に落ちていました。

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